迷彩塗装の順序なんですが・・・

 いや、私自身が経験して、結構驚きの発見だったのがこれから話す、迷彩塗装の順序による色の見え方の違いなんですが、なんだそんなコトか・・・で済まされる可能性も否定できないので、ためらいつつも余ってるサーバの容量を埋めるためにお話しますけど、軽く流していただきたい!と切に願います。

 迷彩塗装に限らず、絵を描くときでもペンキを塗るときでも、先に明度の高い(明るい)色を塗ってから明度の低い(暗い)色を塗るのが常識とされ、かつ理にかなった方法でもあるのは御存知と思いますが、これに縛られると本来自然な感じになるべき物がそうはならない場合もあるという話です。

 分かりやすい例をあげますと、青空に雲の浮かんだ絵を描くときに、普通は空のブルーを塗ってからエアブラシなり筆なりで白く雲を描きますよね? 透明水彩は別として、白を先に塗る、あるいは雲の白を残しながら空のブルーを塗る人は、よっぽどのあまのじゃくか、自己表現に行き詰まった芸術家くらいでしょう。 でもこれって先の明るい色を先に塗って・・・という原則から外れてますよね? それなら、と原則通りに雲の形を残しながらブルーを後塗りしてみたらどうなると思いますか? エアブラシで試すと一層分かりやすいんですが、これがひどく不自然で幼稚な感じの表現になります。 <私の腕が悪いのはおいといての話ですよ・・・

 参考画像が無いと分かりづらいかと思いますが、青ベースに雲を描いたものは自然な感じに見えるのに対して、白ベースに雲残しの空を描くと雲の輪郭周りの彩度が妙に高くなってしまい、空の奥行感と雲の立体感を邪魔してしまいます。 この原因は塗料の粒子の不透明性にあります。 つまり「明るい色を先に塗る」と言う方法が、現実の「空の前に雲がある」事実と逆なので不自然に見えてしまうのです。 雲は水蒸気の塊みたいな物なのでほぼ不透明な白ですが、これがバックの青の手前に来ると輪郭部分のぼやけた部分が濁って見えます。 塗料の場合も完璧な不透明の白と言うものは存在しないので概ね自然な感じになります。 これが逆に後で青を塗る場合は、白ベースに青なので輪郭のボカシ部分もほとんど下地が透けず、色調が濁らないため妙に彩度が高くなり、不自然な感じになるのです。

 念のため申し上げますが、Photoshop等で気軽にお試しになろうとお考えの皆様(いないか?そんな人)、デジタルではこの現象は再現できません。 デジタルでは、暗い色の上に明るい色を塗ると透けるってコトが無いからです。たとえ透明度を設定しても結果は同じです。ココが利点でもあり、ごくたまに不便な点でもあるのですが・・・

 何が言いたいかと言いますと、(笑) 迷彩塗装の表現においても同様のことが言えるのでは無いか、ということです。 実機でも最初から迷彩カラーが決まっている場合は、明るい色から暗い色へと言う順序で塗装すると思いますが、大戦機の急場凌ぎや、冬期迷彩の白いオーバースプレーなど、イレギュラーな条件下で施された迷彩はやはり実機と同じ順序で塗装しないとリアルには仕上らないのではないか?と思うのです。 ドイツ機のモットリングなんかでも、明るい色を最初に塗ります、なんて良く雑誌に書いてありますが、塗装順序が実機と違うと、同じ2色の迷彩でも色味が違って見えるはずだと思うのです。 といってもカラー写真がほとんど残ってないので多分に想像の範囲内ではありますが。 以前ウーフーの制作記事を読んだときにふと思い付き、ずっと考えてたコトなんですが、文章で伝えるのは難しいですね〜。 ま〜時にはその辺のトコロにこだわったりしてみるのも大人っぽくて素敵かな?と思ったのでありました。 私の文章が分かり辛いのは充分分かっておりますので、御指摘には及びません。 以後気をつけます。

 なんて言ってもやっぱり怒られそうなのでデジタルで無理やり参考画像を起こしてみました。 余計怒られそうですが、分かってもらえるとうれしいな〜・・・と思います。

 

 左が雲を後塗りしたイメージで、右が空を後塗りしたイメージです。あくまでイメージね。実際はもっと分かりやすいんですけどね。腕がね・・・無いもので。

 

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